3.法律相談
ピンポーン(弊所は入口のインターフォンで受け付けをしております)。13時からの予約で法律相談に参りました太郎です。
太郎様、お待ちいたしておりました。こちらの会議室の窓側の席におかけになってください。
コン、コン、コン。失礼します。弁護士の小池と申します。よろしくお願いします。
太郎です。よろしくお願いします。
それでは、さっそくお話しを伺いますね。まず、事前にお願いした資料を確認させてください。
はい。遺言書のコピー、相続関係図、財産のメモ、これは暫定ですので遺産の全てではないと思います、あと私なりに今回の経緯をメモにしました。
ありがとうございます。これだけ準備していただけると助かります。まず、遺言の筆跡ですが、これはお父様の筆跡かどうかはわかりますか?
正直何とも言えません。というのも、父は、認知症が悪化して施設に入所した頃から殆ど文章を書くということはしなくなりました。書いても名前程度だと思います。名前の部分は父の字だと見えなくもないのですが、それ以外の文章を書けたかという点は相当疑問があります。
なるほど。認知症というと意思能力の問題というとらえ方が多いんですが、遺言書の自書性も争点になりそうですね。
カルテ等の医療記録、介護関係の資料はありますか?
はい。昨年の11月までの医療記録と介護関係の資料は病院や施設に連絡してコピーを貰ってきました。
昨年の12月以降の資料はありませんか?遺言の作成日が今年の1月7日ですから、この時期に近い資料が重要なのですが・・。
実は、昨年の12月から妹が父の入院・入所関係の事務手続をするということになり、入所施設を変更しました。この時、入所保証人も妹になりました。また、この際、主治医も変更されたようです。
変更後の施設に資料の開示を頼んだところ、入所保証人の同意書がないと開示できないと断られてしまいました。変更後の主治医につても私は知らないんです。
なるほど。では、そのあたりの調査をしないと遺言の有効性についての見通しを立てるのは難しそうですね。
その調査をお願いすることはできますか?それとも遺言無効の手続を依頼しないと調査は無理ですか?
遺言無効の場合は、ある程度事前調査で見通しを立てないと方針決定が難しいので、事前調査だけの依頼もお受けしています。まずは、事前調査をしてみましょう。